最寄り駅:JR埼京線 赤羽駅
徒歩:10分程度
12月のわりには気温が高い、良く晴れた金曜日。仕事の都合で休日であったid:nmkmn-mgnは、洗濯を済ませるとゆっくりと準備をして、最寄り駅の板橋駅から赤羽駅へ埼京線で移動する。赤羽駅から歩いて10分ほどで川沿いに出る。この川は新河岸川。橋を渡ってその向こう側、荒川河川敷に到着する。
板橋駅周辺に住むid:nmkmn-mgnにとって、この辺りの荒川河川敷は、最も身近に感じられる大自然として、一ヶ月月に一回程度は足を運んで、ゆったりとした川の流れと、高層建築のない、広がる空の解放感に浸り、月並みだが自分の小ささを再認識することで、心を落ち着かせ、精神の平穏を取り戻しているのであった。
川沿いの道路はサイクリングロードとして整備されており、散歩する人やランナー、何よりも近頃流行の自転車を楽しむ人など、実に多くの人々が思い思い好きなことに取り組んでおり、天気の良い休日はなかなかの賑わいを見せる。
川沿いを下流方向に向かって歩いていくと水門が見える。最初に見える赤い水門は旧岩淵水門といい、「旧」というだけあって、さらに川下にある「現」岩淵水門に役割を譲り、北区が誇る観光名所のような役割を果たしている。
<旧岩淵水門>
旧のほうの赤い水門が、河川敷から川の中ほどまで突き出ている、離れ小島のような場所まで歩いて渡る。
対岸や川の流れ、空など見上げつつ、ゆっくり歩く。空気が澄んでいてうっすら白い月が見え、上流方向の橋のさらに向こう、秩父方面の山々だろうか、うっすら山影が見える。小島には「草刈の碑」や劣化の進んだモニュメントがたっており、歴史を感じさせる。
<水門の裏側の橋から突き出た小島へ>
旧水門のさらに下流、ちょっと歩くと青く塗られた「現」岩淵水門にたどり着く。先ほどと同じように水門を渡って向こう岸にたどり着く。と、たどり着いた場所が荒川の右岸となる(川の進行方向向かって右を右岸、左を左岸という)。
<「現」岩淵水門>
つまり岩淵水門は、荒川が二つに分かれたその右側の根元に設置されており、水門より先は隅田川になっている。水門は、増水時、荒川の水が隅田川へ流入しないようにせき止める役割を果たしているのだ。
ということは、水門を閉めれば隅田川の水がなくなってしまうか、というとそんな訳はなく、最初に荒川河川敷に出るときに渡った川、つまり荒川と並走するように流れている新河岸川が隅田川へ流れ込んでおり、水門辺りを境に隅田川と名前を変えている。水門の裏側から見ると合流の様子が良く分かる。
水門脇に説明用の看板が立てられており、それによると、ゲートの大きさは、高さ16.7メートル、幅20.0メートルが3門で、畳で換算すると約620畳分とのことである。はっきり言ってよくわからない。なぜ畳で換算しようと思ったのか。まぁとにかく大きいということだけ理解する。
<水門の大きさ説明>
荒川右岸をそのまま進むと、河川敷沿いに東京都民ゴルフ場なるゴルフ場が見えてくる。対岸には、新芝川が荒川に合流する地点に設けられた、二連の戸板のような水門が見えてくる。下流方向遠くを見れば、東京の新名所、スカイツリーも望見される。
<遠くに見えるスカイツリー>
都内であることを忘れさせてくれるような、広がる川と空に満足感を覚えつつ、この季節、川沿い周辺特有の、冷たい風に当てられて、そろそろかと思い、来た道を戻り始める。
帰り道、休憩がてら入った無料の荒川知水資料館(治水ではなく、知水)の入口付近、見覚えのある構造物を発見。説明書きを読むと、昔の船堀閘門頭頂部を移設保存しているとのこと。旧小松川閘門頭頂部との類似性を思う。
<船堀閘門頭頂部>
赤羽駅で電車を待つ間、これだけの自然や建物、もっとアピールして、赤羽駅の出口辺りに看板でも立てて、休日辺り直通バスでも運営し、屋台など出したらいい商売になりそうだなぁ、などと品のないことを考えながら帰りの電車に乗り込むid:nmkmn-mgnであった。