将来の引越しに向けた候補地をいくつか見て回ろうと思い、まずは都内に乗り入れている割に今一つなじみのない、初乗り料金が少々高いことで有名な埼玉高速鉄道の沿線、南鳩ヶ谷駅周辺を観察に行った。
「国土交通省国土政策局「行政区域図(東京・埼玉)、バス停留所(東京・埼玉)、バスルート(東京・埼玉)、鉄道(全国)」をもとにid:nmkmn-mgnがQGISを用いて編集・加工」
埼玉高速鉄道は南北線に乗り入れているものの、板橋駅からは直線的に接続できず、乗り換えのために迂回するような経路になる。
単純に、JR赤羽駅まで行って赤羽岩淵駅まで10分もかからない距離を歩けばいいだけの話なのだが、天気の悪さや初乗り料金が高いことを理由にして、なんとなく出かけていく気分にならない。
出かけるのはまた今度にしようかと考え始めたとき、赤羽駅からほぼ埼玉高速鉄道沿いにバス路線があることに気付き、これに勢いを得て、すぐに準備を始めて出発した。
赤羽からバスで20分ほど、南鳩ヶ谷駅に到着する。
引越し候補地の観察なので、本来はスーパーや駅周辺の駐輪場、道路や建物の状況を見なければいけないのだが、結局、写真に撮ったのは境界標ばかりという始末である。
南鳩ヶ谷駅の西側を少し歩くとコモディイイダを見つけ、店内をぶらついてよく食べる缶詰の値段などを一通り確認した後、付近を流れる新芝川沿いに東側へ移動して島忠にたどり着き、特にあてもなく店内をまわる。
帰宅してから地図を確認したところ、南鳩ヶ谷駅を中心に半径300メートルほどをぐるぐる歩き回ったようだが、記憶に残っているのは鳩ヶ谷市の境界標やマンホールである。
鳩ヶ谷市は2011年に川口市と合併したため、自治体としてはもはや存在しないので、新たに鳩ヶ谷市の境界標が設置されることはない。
そう考えると合併によって消滅してしまった市町村の名前が表記されている看板やマンホール、そして境界標などは、合併遺産とでも呼んでもう少し意識的に記録することに多少は意味があるような気がしてくる。
そんなことを境界標探索の言い訳としてぼんやり考えながら、再度南鳩ヶ谷駅まで戻る。
せっかくなので帰りは埼玉高速鉄道に乗って帰ろうと思ったが、タイミングよくバスが来たために思わず乗ってしまい、埼玉高速鉄道の駅や車両などの状況についてはさっぱりわからないまま帰宅したid:nmkmn-mgnだった。
ちなみに、鳩ヶ谷という字だが、市名は大きい「ケ」、それ以外は「ヶ」の表記が多いようだ。2004年に発行された『ライトマップル埼玉県道路地図』では市の名前が「鳩ケ谷」と大きな「ケ」で記載されている。
『ライトマップル埼玉県道路地図』昭文社、2004年